出産の方法によって、産後に受ける体の状態って
実は少し違っていたりします。
経膣分娩の場合は、
骨盤底筋の一部が通常の約3倍ほど伸ばされます。
(普通ストレッチなどでは1.5倍くらいしか伸びない)
帝王切開の場合は、
お腹にメスを入れてることもあって
腹筋が使いづらい環境に。
入院中はギャッジアップでいいけど
![](https://coralrhythm.com/wp-content/uploads/2023/11/1226581_s.jpg)
産婦人科の中でも仕事をさせてもらっているのですが
時々、帝王切開の方で
家ではどうやって起きたらいいんですか?
って不安になってしまってる方が見えます。
そりゃそうですよね…
帝王切開後は腹横筋が使いづらい
起き上がれない一番の原因は
足の筋力とか体力とか以上に
腹横筋が使いづらくなっているため。
![](https://coralrhythm.com/wp-content/uploads/2023/06/骨盤靱帯とインナーユニット-1024x712.png)
腹横筋って、体のどこを動かすにも使うんです。
バンザイする時にも使うし
足を上げて何かを跨ぐ時にも使うし
膝を伸ばす時にも使うし。
腕とか足とか
一見お腹とは関係ない場所を動かす時にも
まず最初に働いて、体を安定させる役割があるので
ここがうまく使えないとなれば
そりゃ起き上がるのも難しいです。
起き上がる時は正しい腹圧が必要
![](https://coralrhythm.com/wp-content/uploads/2023/11/IMG_0861-1024x1024.jpeg)
いきむように胸の下のところで
グッと圧をかけるのは、実は間違った腹圧。
これだと力は入ってるんだけど
お腹の傷のところに対しても
過剰な負荷がかかってしまって
実はちょっと危険です。
正しい腹圧は
お腹全体が下腹部や骨盤底筋から
凹んでいくような圧のかかり方。
この正しい腹圧を使うことで
ようやく体をうまく支えて
体を起こすことができます。
これを行なっているのが、腹横筋なんです…
退院後はどうしたらいい?
筋肉はちゃんと使わないと
使えるようにはなっていきません。
腹横筋のエクササイズは必須です。
ただ、すぐにできるようになるわけじゃないので
コツコツとエクササイズをしていきながら
しばらくは妊娠中に使っていた腹帯などを
代用するのがおすすめ。
腹帯がない場合は、
柔らかいクッションなどで
下腹部の辺りを少し支えるようにして動くと
腹圧を少しかけてあげることができるので
動きやすくなります。
![](https://coralrhythm.com/wp-content/uploads/2023/11/IMG_0734-830x1024.jpeg)
ただ、クッションは手が塞がっちゃうので
起き上がる時に手を使うことができないんですよね。
- 腹帯でお腹を支えて
- 息を吐きながら横向きになって
- 息を吐きながら手で床を押しながら起きましょう
息を吐くのは腹横筋を使いやすくするためです。
できれば妊娠中から腹横筋の使い方は
知っているとスムーズかなぁって思います。
産後の体のことを正しく知って、
無理のない産褥期を送ってくださいね。